さんたさんのえにっき

ふるよにのはなしをします

【過去記事】『刀忍』徹底ガイド① 基本構築(月影型)編

※これはシーズン3の記事です。

筆者が思い出として保存しているだけで、おそらく現時点ではもう役に立たない記事です。

十中八九時間のムダなのでオススメしませんが、それでも読みたい奇特な人はどうぞ。

 

                                     

 

 

 1.はじめに
 みなさんこんにちは。さんたです。
 この記事では、非常に強力なビートダウンデッキであるユリナ/オボロ(刀忍)の紹介をします。少々長くなりすぎてしまったため記事を分けることになってしまいました。
 明快かつ強力で魅力的なデッキであるにも関わらず、(驚くべきことに)新幕における刀忍の詳細な解説を見かけたことはありませんでした。「もっと上手くなりたい、勝てるようになりたい。でもそのために何をしたらいいかわからない」という初級者の方にはこのような記事が必要であると感じ、筆を執らせていただきました。
 以下の内容は初級者からステップアップしたい方をメインターゲットとしたものであるため、既に習熟している方には若干冗長な説明となっている部分もあるかもしれません。短時間で読みたい方や基本的な知識が十分なミコトの皆さんは、「4.デッキ構築」あたりから読み始めることをオススメします。


2.『月影落』ってどんなカード?
 今回紹介するデッキは、月影落を全力でサポートして勝つデッキです。なので、まず初めに月影落というカードについて説明する必要があるでしょう。

f:id:lordsantagg:20190401193017p:plain
 月影落 7コスト 間合3-4 4/4

 常時効果や攻撃後効果等、一切の複雑なテキストが存在せず大量のフレアで大ダメージを叩きつけるユリナの切札です。
 このカードによって相手のライフを4点奪うことは、相手にとって十分すぎるほど致命打になり得ます。…と言ってもイメージが湧かないでしょうし、折角なので計算してみましょう。

 a.新幕ふるよにではお互いのプレイヤーは【10】点ずつのライフを持っています。
 b.新幕ふるよには少なくともお互い2回ほど再構成するゲームが大半です。なので再構成で相手のライフは【2】点削れます。
 c.ユリナの持つ『斬』は振るとだいたいライフを1点取れるカードです。3巡目のデッキの一番底に沈んでいたとしても2巡目までは振れるので、斬だけでゲーム中【2】点は取れます。
 d.月影落は相手のライフを【4】点奪うカードです。(どうやってライフに通すのかは一旦保留します)

 a-dの前提を踏まえて、月影落がライフに通った場合斬以外で何点通せば勝てるでしょうか?
 答えは簡単です。10-(2+2+4)=2、すなわち2点です。
 つまり、相手は月影落をライフに受けるならば、『一閃』『柄打ち』『居合』、そして相方のメガミの攻撃札によって受けるダメージを1点に抑えなくてはなりません。
 そして、居合と一閃でオーラを大量に剥奪されながら柄打ちや相方のメガミの2/1をオーラ受けすることは非常に困難です。
 この状況は、対戦相手にとって十分に苦しいものであると言っていいでしょう。

 …長々と話しましたが、要するに「月影が通ったら斬以外であとライフを2点取れば勝ち」とだけ覚えておけばOKです。


3.どうして刀忍の『月影落』は強いの?
 ユリナ単品に関する説明が終わったため、次はユリナ/オボロ(刀忍)の説明に入ります。
 刀忍の月影が強い理由は「①簡単にライフに通る」「②残りの2点を取るのに苦労しない」「③フレアを溜めやすい」です。それぞれ説明していきましょう。

①簡単にライフに通る
 刀忍の月影落は、どれだけケアをしても最終的にライフに入ります。(対応がなければ)オーラを3点以下にすれば確定でライフに入るので、誘導なども絡めると大量の月影コンボが存在します。とりあえず思いつく限り書き出してみましょう。
 
 確定コンボ(相手にオーラ/ライフの選択肢を与えない)
 ・浦波嵐>月影落
 ・決死柄打ち>誘導(オーラ→フレア)>月影落(5/4)
 ・再構成(設置誘導)>誘導(トップ引き)>月影落
 ・(居合等で纏い切れなくなってオーラ4で返した相手に)誘導>月影落

 準確定コンボ(オーラ受けした相手を咎める)
 ・通常札オーラ受け(斬・一閃・柄打ち・鋼糸・影菱)>月影落
 ・設置攻撃オーラ受け>月影落
 ・壬蔓オーラ受け>誘導>月影落

 あまりにも豊富ですね。率直に言って、この全てをケアすることは不可能です。
 ひょっとすると相手は、準確定コンボを嫌って一閃や鋼糸までライフ受けしてくるかもしれません。その場合、相手はタダでライフを4点削られています。これは0コストで月影落を撃たせてもらったのと同義であるため、このような強引な月影落ケアはむしろ刀忍側の思う壺です。さらにそこまでやっても確定コンボはケアできず、最終的に大体当たります。

②残りの2点を取るのに苦労しない
 月影落の項目で説明したとおり、月影落をライフに通した場合は(斬2回を除いて)2点ライフを取れば勝てます。なので、ここでは残りの2点をどう取るかについて考えていきます。
 まずは刀忍側が手札4枚、集中2、そして間合2の状況から『柄打ち』を振った状況を思い浮かべてください。ここでライフ1点を守るために柄打ちをオーラ受けした場合、相手はどうなるでしょうか?
 答えは簡単。「続けて一閃と鋼糸を振ると片方がライフに入る」です。目標の2点が達成されましたね。おめでとうございます。
 …「そんなに都合良く一閃と鋼糸が手札に揃うわけないだろ!」と思われるかもしれませんが、不思議なことにこの柄打ちはオーラ受けすると最終的にオーラを纏いきれなくなって死ぬのです。少々複雑な話になりますが、気になる方は読んでみて下さい。「大筋だけわかれば大丈夫だぜ!」って人は次に進んで大丈夫です。

 デッキ二巡目、即ち1回目の再構成の後〜2回目の再構成の前の展開を考えます。山の枚数はお互い6枚であるものとします。
 相手はこの一巡で全力で「纏い」を行った場合、山6枚+3集中で9点のオーラを獲得することができます。とはいえカードを基本動作に回してばかりで使用しないと勝てませんし、最低でも半分くらいはカードを使いたいとすると3枚伏せられるので(集中力3+3伏せで)一巡に纏えるオーラは6点程度です。しかし、刀忍に対してのオーラ6点は決して十分ではありません。可能ならオーラ受けしたい一閃・鋼糸・居合(4/3or3/2)だけでもオーラダメージが7-8点に到達する上、影菱をケアすると纏いに使えるはずの1集中力を離脱に回すことになり、結果的に1点のオーラを失っています。。これほどオーラがカツカツの状態で柄打ち・影菱までオーラ受けしていると、どうやっても通常札ほぼ全てを伏せていかなければ纏いが間に合わなくなり、勝ちに繋がる行動ができなくなって敗北してしまうでしょう。いわゆる「テンポを取られた」という状態ですね。

 そんなわけで、相手は迂闊に2/1をオーラ受けできないため柄打ちや影菱がライフに通り、月影即死ラインまで相手を削るのが容易になるのです。

③コストを溜めやすい
 このゲームで最も重い7コストという大量のフレアを要求する月影落を撃つ上で、オボロという相方は非常に適しています。その理由は、a.纏い・宿しを行いやすく、ダスト枯らしの後が強力である、b.気軽に再構成を行える、c.壬蔓がある、の3点です。
 aはオボロの能力、設置によるものです。影菱を伏せるだけで相手は2/1のダメージ&手札破壊を受け入れるか、あるいは(オーラ1点に変換できるはずの)1集中力を毎ターン捨てて1離脱を行うかの二択を迫られるうえに自分は基本動作を一度行なえます。基本行動の回数が多ければ多いほどフレアが肥えやすいのは当然ですね。とはいえ纏い宿しに2集中力を支払うよりも2纏いでオーラを2点増やしたほうが純粋に強い場面の方が多いので、無理に宿しすぎて痛い目を見ないように。
 また、オボロは近距離制圧力が高く誘導があるため、ダスト枯らし後の展開が強力なメガミでもあります。影菱を伏せた状態でダスト0・間合い2の状態を作り出すと、相手は非常に行動を制限されたうえに手札が余りがちになり、離脱ができず影菱を食らってしまうことで重要な手札を落とされやすくなります。また、鋼糸も2距離から近い上にほぼ確実に相手のオーラを2点剥ぐことができるので強力であり、影菱を嫌って離脱してくる相手には伏せ札からでも通常使用でも十分に有効に使えるでしょう。さらにダストが枯れると相手はオーラが欠けた状態で攻撃札を振りがちになり、対応誘導(間合い→相手オーラ)によって攻撃を回避できる場面が非常に多くなります。
 bも設置、特に影菱によるものです。再構成はライフを支払うため基本的には乱発していい行動ではないですが、刀忍の場合は再構成から設置影菱を命中させるだけで手札破壊による安全性確保、月影のフレア確保、決死入り等多くのメリットを享受することができます。影菱で手札を落とせるなら積極的に再構成しましょう。
 c.は単純ですが、フレア1点差は意外と重いものです。フレアを1多く貯める行為は、ライフを1点支払って相手のリーサル圏をさらに広げるか、あるいはオーラ2点に変換できるはずの2集中力を宿し纏いに支払わなければ手に入りません。対応の豊富でないユリナにとって、これは非常に重いコストです。壬蔓・月影・浦波の実質9フレア構成は、無理をせずに貯められる非常に使いやすいフレア数です。

 以上の理由から刀忍の月影落はデッキの主軸に据えるに値する非常に強力なカードであるため、今回紹介するデッキは月影落を軸にしたものになります。


4.デッキ構築
 もちろん相手によって臨機応変に変更しますが、今回は最もパワーのある構築を一例として紹介します。

 斬

f:id:lordsantagg:20190401193204p:plain

 説明不要の1枚でしょう。相手のライフを0にするゲームである以上、非常に撃ちやすい上にほぼ確実にライフを1点取れるこのカードは当然強いです。
 慣れてきたら、散発的に離脱するより手札に斬・一閃・鋼糸が揃った時にまとめて使うようにしたり、1枚伏せ札を作って相手に影菱をケアさせることで離脱を強要して纏い・前進を増やしつつ離脱を減らせるようになるとベストです。

 一閃

f:id:lordsantagg:20190401193159p:plain

 序盤~中盤では2/1を、終盤では月影をライフに通すために必要な一枚。1枚でオーラ2点と交換できるため適当に振ってるだけでも相手は纏い直すのに苦しみますが、離脱→一閃だと1枚+1集中力を支払っていることになるので一閃を撃つためだけの離脱をするかどうかは微妙なラインです。斬の項目でも述べていますが、自分の離脱を減らしたり相手に離脱をさせるように意識しましょう。

 柄打ち

f:id:lordsantagg:20190401193336p:plain

 ライフに通る札です。オーラ受けした相手は一閃鋼糸と次の居合を叩きつけて無限の纏い直しを要求しましょう。
 離脱なしで2距離から振れるのが強みです。

 居合

f:id:lordsantagg:20190401193331p:plain
 何も考えずに撃っても大体強いです。可能なら居合を撃つ前のターンは手札1以下、集中0にしたいですね。

 影菱を伏せるだけで相手は離脱してくれるので、4/3になる機会も多いです。

 鋼糸

f:id:lordsantagg:20190401193544p:plain
 一閃の上位互換、程度の認識で問題ありません。最初は「設置」の2文字を忘れて、伏せずに表向きで叩きつけましょう。


 影菱

f:id:lordsantagg:20190401193539p:plain
 とりあえず伏せると相手が離脱してくれるので気持ちがいいです。
 設置影菱が命中し、手札を破壊できる場合は基本的に山札が残っていても再構成して構いません。

 誘導

f:id:lordsantagg:20190401193525p:plain
 鋼糸・一閃・居合でのオーラ剥ぎを繰り返すと相手はオーラ5の維持が難しくなり、前ステップ対応として機能するようになります。ダストが枯れて物理的に5オーラを用意できない状況にするとケアできません。

 また、フレアを与えても問題ない相手・場面では無条件オーラ1点剥ぎ攻撃として非常に強力です。終盤であまりにも理不尽な月影を叩き込むだけでなく、溜まったフレアを攻撃力に変換できない相手には対して一閃や鋼糸をライフに通すために使うのも大いにアリです。

 
 月影落

f:id:lordsantagg:20181224035514p:plain
 「2.『月影落』ってどんなカード?」と「3.どうして刀忍の『月影落』は強いの?」へ。


 浦波嵐

f:id:lordsantagg:20190401193218p:plain
 攻防において全く隙のない最強クラスの切り札。浦波でオーラを2点剥いでからの月影だけで人間は簡単に死にます。


 壬蔓

f:id:lordsantagg:20190401200117p:plain
 地味にいい仕事をしてくれます。ギリギリ1フレア足りさせるだけでなく、時々ライフを1点取ってくれます。

 壬蔓をオーラ受けした瞬間に相手は誘導>月影落で死ぬのがあまりにも理不尽ですし、そもそもリーサル付近では月影落(4/4)、一閃(2/2or3/2)、鋼糸(2/2)のような攻撃が次々と飛んでくるためオーラとライフの価値が等価になるため実質ライフ1点攻撃です。ライフに通りそうな場面で撃つと良いでしょう。


5.初手の引き直し
 誘導が一巡目から欲しい相手なら欲しいタイミングで引けるように調整しましょう。
 そうでなければ、斬・一閃・居合・鋼糸が3ターン目で揃うように底に送っておくと無難です。


6.基本の動き方
 ~2ターン目 適当に宿したり前進したりします。
 3ターン目 振れる攻撃札を振ります。とりあえず斬を当てましょう。可能なら1枚(居合)だけ握って6枚再構成ができるとベストです。
 4ターン目 再構成し、手札の居合を振ります。ここで居合を振れるように、直前のターンに相手に撃たれた2/1は積極的にライフ受けして居合の返しの致命打にオーラを用意しましょう。
 5ターン目~ 影菱を伏せながら適当に振れる札を振ってライフを取ります。影菱が当たる時は再構成します。相手の死期が近づいてきたな、と思ったら鋼糸と一閃を握り込んでおくと確実に相手の息の根を止めることができます。月影がライフに通りそうなタイミングでも殺しきれないなら基本的には我慢したほうがいいです。
 勝利を確信した時 全ての通常札と切札を叩きつけて勝ちです。


7.
オーラ受けとライフ受けの基準

 これは刀忍というより、ふるよに全般のお話に近いかもしれません。

 「オーラとライフ、どちらで受けるかよく考えよう」みたいな発言を耳にする機会は多いですが、「実際どっちで受ければいいのかよくわからない」という方も多いハズ。なのでこのデッキを例に挙げて、簡単に説明していきます。

 どこまでオーラ受けを選択していいかは、デッキ一巡の間に纏えるオーラの量を元にして考えるとよいでしょう。このデッキでは伏せ札にするカードが1枚(影菱)、一巡の間にもらえる集中力が3あるので合計4点のオーラを回復することができます。つまり相手の2/2を1発、そして2/1を一発までオーラ受けしてよく、それ以降は全てライフ受け…ということになります。

 ただし、この基準だけでは語れないオーラ/ライフ基準もあります。例えば、

  • 一巡に1度離脱すると実質的に纏いを1回放棄しているため一巡の回復オーラ量は3になり、オーラ受けできる攻撃が減る
  • こちらが集中力2、オーラ5の状況を作られてしまうとその集中力1点はオーラに変換することができず腐ってしまうため、次に集中が2になり離脱する予定がないならオーラ受けしたほうが集中力が無駄にならない
  • 「これ以上中途半端に攻撃を振るより月影鋼糸一閃で一気に殺したほうが相手にフレアを与えずに済むな」と思った場合は攻撃札を伏せ札にして纏いを優先できる
  • そもそも1巡目の終わりにはオーラが3-5点ほどあるはずなので多少オーラを減らしても良いと考えられる
  • どうせ残りの相手のデッキにはライフで受ける予定のカードしかないから急いで纏わなくていい
  • 相手がオーラ圧のある攻撃を使い切り、デッキの底に弱いカードがまとまったため早めに再構成されたりするとこっちのオーラ受けが若干苦しくなる
  • 纏い直しに行動を消費させられてモタモタしてるうちに相手のリーサルが間に合ってしまうと困るので、ゲーム展開を早めることを意識してどんどんライフ受けする
  • 次に居合を振りたいからオーラをたっぷり用意しておきたいのでライフで受けておく

 等々、あまりにも状況次第であり無数の基準があります。実際の盤面ごとに正解の受け方が変わってきますが、(時間に余裕のある時は)雑に受けてしまわずに受け方をしっかり検討してみましょう。やればやるほど様々な要素を元に判断できるようになりますし、自分の力で考えることは実力向上のために欠かせない要素です。

 8.おわりに
 今回の記事は一旦ここまでです。次の記事では各カードの採用基準や防御的な構築の一例を紹介しようと考えています。

 次回もよろしくね!